2019-01-01から1年間の記事一覧

Rust no-stdのasync完全理解を目指そう!

はじめに この記事はRust Advent Calendar 2019の17日目として書きました。 組込みRust界の神japaricさんがno-std環境でasyncを使うPoCレポジトリを公開しています。 github.com 理解できるかどうか非常に自信がありませんが、これは見てみるしかありません…

技術書典7でRustが関連する本/サークル一覧メモ

はじめに 随時、更新します。抜けや、間違いがあればご連絡下さい。 techbookfest.org 既刊ですが、私も「組込み/ベアメタルRustクックブック」を頒布しますので、よろしくお願いします(宣伝)。 新刊 い35C: esproject(エスプロジェクト) techbookfest.o…

VxWorksの脆弱性「URGENT11」のテクニカルホワイトペーパーを読む①

はじめに 7月末にVxWorksの脆弱性発見が公開されました。 armis.com 日本語関連記事 VxWorksは組込み機器では非常に有名なRTOSで、20億以上のデバイスに搭載されています。 今回の脆弱性URGENT11で影響を受けるデバイスは2億個以上であると報告されています…

技書博出展レポート〜初めての同人誌執筆で組込みRustの本を頒布しました〜

はじめに 記憶の新しいうちに、経緯などをまとめておきます。 自分用メモの側面が強いですが、今後初めて同人誌を頒布される方の参考になると嬉しいです。 表紙 BOOTHで物理本と電子版を販売しているので、もし良ければお買い求め下さい。 (物理本は倉庫への…

7/27(土) 技書博で組込み/ベアメタルRustクックブックを販売します!

はじめに 宣伝です! 来週開催される技術書同人誌博覧会にて、組込み/ベアメタルRustクックブックを販売します。 A-9 AQUAXISさんのブースにご一緒させて頂きます。 ブース主の石原ひでみさんはFPGAの薄い本とMarkdown組版の本を、みつきんさんはNuttxの本を…

LLVM IRファイルを読み込む

はじめに ファイルに出力されたLLVM IRをC++で読み込んで遊んでみます。 環境 $ clang++ --version clang version 8.0.1-svn360950-1~exp1~20190517004233.70 (branches/release_80) Target: x86_64-pc-linux-gnu Thread model: posix InstalledDir: /usr/bi…

Rust × 組込みで前代未聞のInterfaceオフ会レポート

はじめに 昨日、2019年6月17日、巣鴨のCQ出版社様セミナールームにおいて記念すべき組込みRustのオフ会が開催されました! 今回のオフ会は、雑誌掲載前にオフ会を開催する、という前代未聞のオフ会、とのことでした。 inteface-meet-up.connpass.com 非常に…

WebAssembly Micro RuntimeでRustアプリをマイコンで動かす!

はじめに 前回、もう一歩のところだったのですが、RAMが2MB搭載されていないと動かない状態でした。 tomo-wait-for-it-yuki.hatenablog.com 私はそんなマイコン持っていないため、今回は、256KB RAMが搭載されているマイコン (これも高性能品ですが) 上でRus…

WebAssembly Micro RuntimeでRustのアプリを動かす!

はじめに WebAssembly Micro Runtimeでは、64KB程度のRAMが搭載されたマイコンであれば、wasmアプリケーションを動かすことができます。 github.com Rustはwasmをターゲットにビルドできます。 後は、わかるね? アプリケーションの作り方 WebAssembly Micro…

WebAssembly Micro Runtimeお試し②

はじめに 少し前に、組込みで使えるWebAssembly Micro Runtimeが公開されました。 また、いつの間にかSTMでのデモアプリが公開されています。 github.com リファレンスが普段触っているZephyrなので、少し動かしてみます。 前回のおさらい 試しに、qemu_cort…

WebAssembly Micro Runtimeお試し①

はじめに 少し前に、組込みで使えるWebAssembly Micro Runtimeが公開されました。 また、いつの間にかSTMでのデモアプリが公開されています。 github.com リファレンスが普段触っているZephyrなので、少し動かしてみます。 準備 ライブラリをインストールし…

ZephyrのI2C scannerサンプルを動かしてみる

はじめに I2Cデバイスを使いたいので、手始めにZephyrのI2C scannerサンプルを動かしてみます。 ターゲットSoCはnRF52840です。 サンプルプロジェクトを確認 |> zephyr/samples/drivers/i2c_scanner nRF52x系は、overlayする設定ファイルが用意されています…

ZephyrでPWM

はじめに ZephyrでPWMしてみます。 ターゲットSoCはnRF52840です。 Zephyrプロジェクト設定 Zephyr PWM driver CONFIG_PWMを有効にします。 nRF52840のPWM0を利用するので、CONFIG_PWM_0を有効にします。 |> prj.conf # PWM CONFIG_PWM=y CONFIG_PWM_0=y dev…

westを使ったZephyrプロジェクトの管理

はじめに Zephyr 1.14からwestというメタツールが公式なツールになりました。 面倒ですがさらっと使っておきましょう。 ソースコードやドキュメントは、できるだけ1.14を参照するようにします。 Zephyr 1.14はLTSという位置づけで、2年間はセキュリティアッ…

ZephyrでRTTコンソール

はじめに 久々のZephyrです。 JLinkには、JTAG/SWD経由でシリアル入出力をする機能があります。 UARTを使ったコンソールも良いのですが、物理配線が増えたり、簡単にUARTを引き出せない場合、RTTが便利です。 Zephyrコンフィグ NordicのZephyrフォークを参考…

Rust製組込みOSのTockを触ってみる②

はじめに 諸事情によりまとまった時間を取るのが難しいので、入門系やります。 今回は、Rust製のRTOSであるTockを触ってみます。 githubのTock organizationはこちらです。 前回はC言語で書かれたサンプルアプリケーションを動かしたので、今回はRustで書か…

Rust製組込みOSのTockを触ってみる①

はじめに 諸事情によりまとまった時間を取るのが難しいので、入門系やります。 今回は、Rust製のRTOSであるTockを触ってみます。 githubのTock organizationはこちらです。 Getting started Getting startedを参考に、何か動かしてみます。 Requirements nig…

Rustコンパイラ組込みのlintについて調べる

はじめに Rustコンパイラであるrustcには組込みのlintがあります。 Rustのlintツールでは、clippyが有名ですが、rustc組込みの方もソースコードの改善に役立ちます。 7月の技術書同人誌博覧会のネタ探しの一環だったのですが、思ったより世の中の役に立ちそ…

RustのRTFM (Real Time For the Masses)を試してみる⑤

はじめに 組込みRust界の伝説japaric氏が実装しているReal Time For the Masses (RTFM) framework for ARM Cortex-M microcontrollersを試してみます。 github.com サンプルコードをマクロ展開して心が折れそうです。 とりあえず、当面サンプルコードの表面…

RustのRTFM (Real Time For the Masses)を試してみる④

はじめに 組込みRust界の伝説japaric氏が実装しているReal Time For the Masses (RTFM) framework for ARM Cortex-M microcontrollersを試してみます。 github.com 面白いので、引き続き触っていきます。 リソース管理続き RTFMのstatic変数は、通常のstatic…

RustのRTFM (Real Time For the Masses)を試してみる③

はじめに 組込みRust界の伝説japaric氏が実装しているReal Time For the Masses (RTFM) framework for ARM Cortex-M microcontrollersを試してみます。 github.com 軽い気持ちで触り始めたのですが、読み進めるうちに、手続きマクロでゴリゴリ静的解析してい…

RustのRTFM (Real Time For the Masses)を試してみる②

はじめに 組込みRust界の伝説japaric氏が実装しているReal Time For the Masses (RTFM) framework for ARM Cortex-M microcontrollersを試してみます。 github.com 前回変なところで切ってしまったため、今回は軽めです。 idleタスク idleタスクは、initタス…

RustのRTFM (Real Time For the Masses)を試してみる①

はじめに 組込みRust界の伝説japaric氏が実装しているReal Time For the Masses (RTFM) framework for ARM Cortex-M microcontrollersを試してみます。 github.com RTFM自体は、Real-time for the masses, step 1: Programming API and static priority SRP …

mdbook-epubお試し

はじめに 同人誌を書く環境を模索しています。 Rustが好きなので、Rust製のドキュメントビルダーmdbookも試してみます。 mdbook自体には、PDF出力機能がないため、3rd party pluginであるdbook-epubを試してみます。 インストール Rust環境はあらかじめ構築…

組込みRustドキュメントを和訳したお話

はじめに 組込みRustの(勝手に主要と思っている)ドキュメント3つの和訳が、一通り完了しました。 今後は、upstream変更に対するメンテンナンスをやっていきます。 節目なので、整理しておこうと思います。 和訳も、大本になる文章があるからできるわけで、…

YoctoでRust②〜cargo-bitbake〜

はじめに 組込みLinuxでRustする場合、普通にホストマシンで開発して、普通にホストマシンのRustコンパイラでクロスビルドしたものをターゲットに持って行っています。 これで事足りているのですが、前々から興味があったため、YoctoでRustアプリケーション…

YoctoでRust①〜meta-rustのhello-worldビルド〜

はじめに 組込みLinuxでRustする場合、普通にホストマシンで開発して、普通にホストマシンのRustコンパイラでクロスビルドしたものをターゲットに持って行っています。 これで事足りているのですが、前々から興味があったため、YoctoでRustアプリケーション…

実践Rust入門

はじめに 著者の皆様から本書をいただきました。本当にありがとうございます。 実践Rust入門[言語仕様から開発手法まで]作者: κeen,河野達也,小松礼人出版社/メーカー: 技術評論社発売日: 2019/05/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを…

KiCadで基板を作ってみよう①〜基板を描くまで〜

はじめに 技術書典で入手した基板を作ってみよう 技術書典6特装版 -KiCad 5による基板作成-を参考に基板を作ってみます。 書籍内で詳細が記述されていない部分 (インストール方法など)のみ、メモとして記載します。 techbookfest.org 私は、電子回路(LSI)設…

インラインアセンブリだけの関数の最適化でハマった

はじめに Cortex-Mのコンテキストスイッチを書いています。 引数有りで、インラインアセンブリだけを実行する関数を作り、threadのディスパッチを書いていました。 このような場合、適切なconstraintを書いてインラインアセンブリを呼び出さないと、リリース…